近年、訪日外国人の増加に伴い、外国人利用者にとって分かりやすい接客・導線づくりが求められています。しかし、従来の日本人向け調査は日本人の価値観や常識を前提としているため、外国人特有の不便さや不満を十分に捉えきることができません。
こうした背景から、外国人視点で検証し、改善点を浮き彫りにする「外国人向け覆面調査」が注目されています。
覆面調査とは、調査員が一般客として店舗や施設を利用し、接客やサービス、店舗運営などを利用者視点で確認する調査方法です。
一般的な覆面調査では、日本人モニターによる評価が中心となるケースが多く、日本人の感覚や基準に基づいて、接客態度や店舗運営の状況を確認します。
しかし、言語の壁や文化背景の違いから生じるリアルな課題を把握するには、日本人視点のみの評価では不十分なのです。例えば、日本人にとって自然な案内やサービスでも、外国人利用者にとっては分かりにくさや不便につながる場合があります。
そこで必要とされているのが、外国人向け覆面調査です。
外国人向け覆面調査は、ターゲットとする国や地域の外国人客の立場で実際にサービスを利用し、外国人客にとって使いやすいか、魅力が伝わっているか、そこでの不安や満足感を詳しく確認する調査です。単に接客マニュアルの遵守状況を確認するのではなく、旅行者特有の不安や期待に寄り添い、お店のサービスがどのように届いているかを多方面から分析します。
具体的には、次の2つの視点でサービスを見つめ直します。
この調査を通じて、日本人視点では気づきにくい「外国人ならではの視点」から、接客や店舗運営をより良くするための具体的な改善ヒントが得られます。
多くの企業では、「英語メニューを作る」「多言語表示を増やす」など、翻訳対応を中心に外国人対策を進めています。
しかし実際には、外国人利用者にとっては、
など、日本人にとって自然な行動ルールが分かりづらいケースも少なくありません。
また、お通しの仕組みや靴を脱ぐ習慣なども、文化的背景の違いから戸惑いにつながる場合があります。
しかし、こうした要素も、背景や意味が伝わることで、「日本独自の文化に触れる新鮮な体験」として受け取られる場合があります。つまり、課題は単なる言語不足ではなく、「利用体験そのものが外国人向けに設計されていないこと」にあります。
外国人向け覆面調査では、外国人利用者がどこで戸惑いを感じたのか、また、どのような説明や導線があれば安心して利用できるのかを把握できます。その結果、不便さを解消するだけでなく、日本ならではの文化や体験を、外国人顧客にとって魅力的に伝えるサービス設計につなげることが可能になります。
一般的な調査では、顧客の不満点を把握することはできます。しかし外国人利用者の場合、「言葉が通じない」「文化が違う」「質問しづらい」といった理由から、不満を伝えないまま離脱してしまうケースも少なくありません。
例えばレストランを探している際に、
と感じた時点で、入店を諦めてしまうことがあります。
こうした「静かな離脱」は、アンケートや通常の覆面調査では把握しにくい領域です。
外国人向け覆面調査では、外国人の立場から店舗や施設を評価することで、「どのタイミングで不安を感じ、利用を諦めたのか」に加え、「どうすればもっと期待感を持って利用できるか」という前向きな視点での気づきを得られます。
その結果、利用をためらう原因を解消するだけでなく、「ここなら安心だ」「また来たい」と思えるポジティブな体験価値を創出し、集客力の向上やファンづくりにつなげることが可能になります。
企業や店舗が「魅力」と考えているポイントと、外国人利用者が実際に価値を感じるポイントは、必ずしも一致するとは限りません。
例えば、
など、外国人利用者が魅力を感じるポイントは、日本人視点だけでは把握しきれない場合があります。
また、日本人にとっては当たり前のサービスが特別な価値として受け取られることもあれば、逆に打ち出したい強みが十分に伝わっていないことも少なくありません。
外国人向け覆面調査では、外国人利用者が「どこに心を動かされたのか」を実際の体験を通じて把握できます。そのため、自社の魅力をさらに際立たせる訴求方法やサービス設計へとブラッシュアップすることができ、集客力向上やポジティブな口コミの拡大にも活用できます。
外国人向け覆面調査では、課題を発見するだけでなく、その結果を実際の店舗改善につなげる視点も重要です。
例えば、
といった具体的なアクションへと落とし込むことで、顧客体験(CX)の価値は初めて向上します。
そのため近年では、単なる評価に留まらず、現場で実行しやすい改善提案まで行う調査の重要性が高まっています。特に、店舗運営や接客指導の知見を持つ専門人材によるフィードバックは、サービス品質の向上だけでなく、確実な売上向上やファンづくりにも直結します。
インバウンド需要の回復により、ある飲食店チェーンでは外国人来店客数が増加していたものの、「来店数のわりに売上が伸びない」という課題を抱えていました。
店舗側では、「英語メニューの設置」や「翻訳アプリの導入」など、多言語対応はすでに実施していたため、外国人対応は十分にできていると認識していました。
しかし、外国人向け覆面調査を実施した結果、実際には別の課題が存在していることが分かりました。
例えば、
など、「利用体験の途中で発生する小さな不便」が、購買意欲低下につながっていたのです。
調査結果をもとに、店舗では、
などの改善施策が考えられます。
こうした改善によって、外国人客の追加注文率や滞在満足度の向上、SNSでの口コミ投稿増加、さらには客単価改善などにつながる可能性があります。
インバウンド対応の本質は、単なる言葉の翻訳を越えて、顧客体験(CX)そのものを再設計することにあります。
これからのサービス改善において重要なのは、言葉やルールの違いによる不便さを解消するだけでなく、日本独自の文化や自社の強みを、外国人のお客様が心から楽しめる「魅力」としてしっかり届けることです。日本人にとっての当たり前が、外国人客にとっては感動の種になることもあれば、思わぬつまずきの原因になることもあります。
外国人向け覆面調査は、こうした日本人視点では見落としがちな「体験のズレ」を可視化し、確かな改善へと導く有効な手法です。調査を単なる採点で終わらせず、具体的な改善アクションへと結びつけることで、世界中の顧客から選ばれ続ける「価値ある体験づくり」への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
「外国人対応を強化したい」「インバウンド集客を改善したい」「外国人視点で自社サービスを見直したい」そのように感じている場合は、単なる「外国語対応」の確認だけでなく、外国人顧客の体験やCX(顧客体験価値)まで分析し、改善提案やフィードバックまで支援できる調査会社を比較することが重要です。
また、対応可能な調査項目、調査後のサポート体制なども、調査会社によって大きく異なります。自社の課題や目的に合った調査会社を選ぶことで、より効果的なサービス改善につなげることができます。
覆面調査会社の比較についてさらに知りたい場合は、本サイト内の関連記事もぜひご参考ください。
覆面調査の効果を最大限発揮するには、課題に即した覆面調査会社を選ぶ必要があります。
以下では課題やお悩み別に、おすすめの覆面調査会社をご紹介します。各調査会社の強みや特徴を知り、より有意義な覆面調査を進めていきましょう。



【選定条件】
Googleで「覆面調査会社」と検索し(2024年3月25日調査時点)、検索結果全ぺージに表示された会社の公式HP45社を調査。そのうち商業施設の覆面調査実績が公式HPに掲載されている14社のうち、以下の条件で選定しています。
・クリエイティブアルファ...調査した14社のうち唯一、現役講師がCX基準での覆面調査を実施しており、調査後に研修を行える会社
・クロス・マーケティング...調査した14社のうち最も調査項目が多く、覆面調査以外に店内動線調査や視線計測サービスも行い、店舗改善に役立つマーケティングリサーチ会社
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