近年、多くの商業施設で館内アプリ、クーポン配信、電子決済、セルフレジ、デジタルサイネージなど、さまざまなデジタル施策が導入されています。しかし現場からは「アプリを導入したが、思ったほどダウンロードされない」「電子決済やセルフレジがあまり使われていない」「一度使われたきりで、継続利用につながらない」といった声も多く聞かれます。
多くの場合、施策の評価は「アプリのDL数」「クーポン利用率」「決済件数」などの数値で行われます。これらは重要な指標ではありますが、なぜ使われないのか、なぜ定着しないのかという原因までは見えてきません。
デジタル施策は「導入すること」が目的ではなく、来館者にとって使いやすく、価値を感じられる体験になっているかが本質です。
デジタル施策が使われない理由として最も多いのが「最初の一歩が重い」ことです。会員登録や初期設定が面倒、どこで・何に使えるのか分からない、操作を間違えそうで不安――といった心理的ハードルがあると、「よく分からないから使わない」という判断につながりがちです。
デジタル施策が「単体」で存在してしまい、リアルな館内体験と結びついていないケースも少なくありません。アプリの存在は知っているが使うきっかけがない、POPやスタッフからの案内が弱い、館内で「今使うと便利」という導線が設計されていない――この状態では、来館者にとってデジタル施策は「なくても困らないもの」になってしまいます。
デジタル施策はある程度ターゲットを想定して設計されることが多い一方で、高齢者やITに不慣れな層には使いづらい、子連れ来館者には操作する余裕がない、想定していない層が多く利用している――といったズレが起きることもあります。このズレに気づかないまま改善を続けても、施策が定着しない原因は解消されません。
アプリや電子決済では操作ログや利用データを取得できますが、ログで分かるのは「どこで離脱したか」「どの機能が使われたか」といった結果の部分です。一方で「なぜ操作をやめたのか」「どこに不安を感じたのか」「何が分かりづらかったのか」といった体験の文脈や感情は、ログからは読み取れません。
多くの来館者は不満や違和感をわざわざ言語化せず、静かに「使わなくなる」という選択をします。つまり、数字だけを見ていても、UX改善の本質にはたどり着きにくいのです。
覆面調査では一般の来館者と同じ立場でアプリや電子決済を利用するため、初見でも直感的に操作できたか、どこで迷いどこで不安を感じたか、表示や文言は分かりやすかったか、館内環境の中で使いやすかったか、「また使いたい」と思える体験だったか――といった点を顧客目線で具体的に評価できます。
覆面調査では、年代別・来館目的別・ITリテラシーの違いなど、属性を分けた調査設計も可能です。これにより「誰にとって使いづらいのか」「どの層でつまずいているのか」といった、数値では見えないUXの課題を立体的に把握できます。
館内アプリが使われない大きな理由のひとつが、「ダウンロード後の最初の体験でつまずいている」ことです。覆面調査を実施すると、どこでアプリの存在に気づいたか、ダウンロードまで迷わず進めたか、会員登録や初期設定でストレスを感じなかったか――といったポイントを初見ユーザーの視点で確認できます。
その結果、「登録フローが長すぎる」「利用シーンが想像しづらい」「案内POPの文言が分かりにくい」といった改善点が明確になり、案内方法やUIを少し見直すだけで利用率が向上するケースも少なくありません。
電子決済やセルフレジは利便性向上を目的に導入される一方で、「操作が不安」「間違えたら怖い」と感じられると利用されにくくなります。覆面調査では、操作手順が直感的に理解できたか、画面表示や案内文は十分だったか、途中で不安を感じたポイントはどこか――といった点を実際の利用体験を通じて把握できます。
これにより、操作画面の改善だけでなく、「スタッフの声掛けタイミング」「周辺の補足案内表示」といったリアル側のサポート改善にもつなげることができます。
デジタル施策の多くは、リアルな館内体験と連動してこそ効果を発揮します。覆面調査を通じて、どのタイミングでデジタル施策を使いたいと感じたか、館内動線の中で使う必然性があったか、デジタル施策が体験価値を高めていたか――といった点を確認することで、「なぜ使われないのか」という根本原因が見えてきます。
その結果、デジタルサイネージやPOPの配置、スタッフの案内方法を見直し、“使う理由が自然に生まれる導線設計”へと改善することが可能になります。
デジタル施策の評価を目的とする場合、通常の店舗調査とは異なる視点が求められます。特に重要なのは、操作フローを想定したシナリオ型調査、初見ユーザーを想定した調査、年代・ITリテラシー別の属性調査、定性コメントが充実したレポートです。
デジタル施策では「少し分からない」「なんとなく不安」といった感情が利用離脱に直結します。こうした微細な違和感を言語化できる調査が、UX改善には欠かせません。
デジタルUX改善を成功させるためには、調査会社選びも重要なポイントです。単に「使いやすかった/使いにくかった」で終わらせず、なぜそう感じたのか、どう直せばよいかまで示してくれる調査会社を選びましょう。
画面操作だけでなく、心理的ハードルや理解のしやすさまで評価できるかが重要です。
館内導線・POP・スタッフ案内など、リアル環境との接続まで含めて評価できる会社が望ましいでしょう。
「何が問題か」だけでなく、「どう直すか」まで提案できるかを確認しましょう。
年代・ITリテラシーなど属性別に評価できると、改善の打ち手が具体化しやすくなります。
デジタル施策の課題は施設ごとに異なるため、自社の改善目的に合った調査会社を選ぶことが重要です。たとえば、次のように整理すると比較しやすくなります。
CX視点での評価や、現場フィードバックまで対応できる調査会社が適しています。
行動観察や動線分析に強みを持つ調査会社が向いています。
大規模な一般消費者パネルを活用できる調査会社が有効です。
デジタル施策は、導入しただけでは成果につながりません。迷わず使える、不安なく操作できる、使って良かったと感じられる――こうした体験が積み重なって初めて、施策としての価値が生まれます。
覆面調査は、デジタル施策における「使われない理由」を可視化し、改善につなげるための有効な手段です。アプリや電子決済の活用を本当に定着させるためにも、顧客視点でUXを見直す取り組みとして、覆面調査の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
覆面調査の効果を最大限発揮するには、課題に即した覆面調査会社を選ぶ必要があります。
以下では課題やお悩み別に、おすすめの覆面調査会社をご紹介します。各調査会社の強みや特徴を知り、より有意義な覆面調査を進めていきましょう。



【選定条件】
Googleで「覆面調査会社」と検索し(2024年3月25日調査時点)、検索結果全ぺージに表示された会社の公式HP45社を調査。そのうち商業施設の覆面調査実績が公式HPに掲載されている14社のうち、以下の条件で選定しています。
・クリエイティブアルファ...調査した14社のうち唯一、現役講師がCX基準での覆面調査を実施しており、調査後に研修を行える会社
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